ディズニーミュージカル『アラジン』はそのタイトル通り、1992年公開の劇場版長編アニメーションを基に創作された舞台です。砂漠の王国アグラバーに住む貧しくも清い心をもった青年アラジンと、その王国の姫ジャスミンとの恋模様を軸に、ランプの精ジーニーや、王国の支配を企む邪悪な大臣ジャファーら数々の登場人物とのエピソードが織り込まれたストーリーは、冒険とロマンス、そして感動とエンターテインメント性に溢れています。

ミュージカルでは、このアニメーションのストーリーラインを踏まえ、脚本、楽曲、舞台美術等々のあらゆる分野で、演劇的創造に満ちたダイナミックでゴージャスな工夫を施しました。
まず脚本には、近年ミュージカル『エルフ』で注目を浴びた若き俊才チャド・ベグリンを起用。そのフレッシュな感性は、キャラクターの造型や心情描写、それぞれの関係を丁寧に描き込み、作品をさらに奥行きある人間ドラマに仕立てています。
音楽面では、ディズニー楽曲を数多く生み出し、4度のアカデミー賞の他、いくつもの賞を獲得してきたアラン・メンケン（作曲）と、故ハワード・アッシュマン、ティム・ライス（ともに作詞）による「ホール・ニュー・ワールド」などアニメーション由来の楽曲に加え、計7曲、そこでは用いられなかった映画未発表曲とメンケン／ベグリンによる新たな楽曲が追加されました。多彩なメロディーが、物語や登場人物の心理をさらに深めているといえるでしょう。
また演出・振付は、『モンティ・パイソンのスパマロット』（振付）、『ブック・オブ・モルモン』（共同演出／振付）などの成果により、一躍ドル箱演出家となったケイシー・ニコロウが。そして装置デザインは、四季のお客様にも馴染み深い『アイーダ』『リトルマーメイド』を手掛け、2012年『ワンス』ではトニー賞最優秀ミュージカル装置デザイン賞に輝いたボブ・クローリーが担当。色鮮やかで、かつ劇場全体を使ったスケールの大きな表現は、まさにエンターテインメントの極みで、ブロードウェイの観客たちを高揚させ続けています。
※劇団ホームページより

　岸谷が最後に「この『海盗セブン』を執筆したのは3.11があったからこそ、こういう物語になったということがあります。我々、俳優は家も建てられないし料理もできない。でも今、辛い思いをしている方たちに心の元気を与えることならがんばればできると思い、この作品を作りました。ぜひ大勢の方に劇場に足を運んでいただきたいです」と

　深紅の幕が上がるといきなり大勢のダンスシーンからのスタート。

　小野扮する“フィクサージョー”が登場すると、おもむろに堂々とした歌声を披露。
　ジョーは“７つの海を盗んだ海盗セブン”の７人を手に入れるために招待状を送ったと語り、彼らはきっとすぐにこのアジトに現れるという。

19世紀末のパリ、オペラ座（オペラ・ガルニエ）が舞台。パリのオペラ座の地下に住み、劇場関係者から恐れられている怪人と、怪人に歌手としての素質を見いだされレッスンを受けるコーラスガールのクリスティン・ダーエと、その幼なじみで新たにオペラ座の後援者となったラウル子爵の3人を巡る三角関係のストーリーが描かれる。ルルーの原作の雑多なストーリーを刈り込み、登場人物を絞り込んで、怪奇ものでありながら怪人を中心としたラブ・ロマンスに焦点を当てている。ロイド＝ウェバーによる流麗な音楽、豪華な舞台衣装や美術、鮮やかな舞台転換などが多くのファンを引きつけている。

人間と動物が同じ言葉を話し､ともに暮らしている自由の国「オズ｣｡ここにある大学で、２人の少女が出会います。1人は、緑色の肌と不思議な力を持って生まれたエルファバ、もう１人は美しくキュートな人気者のグリンダ。性格も外見も全く異なる２人は次第にお互いを理解し合い､友情を深めていきます｡しかし平和なこの国に異変か起こります。次々と動物が言葉を失っていくのです。エルファバは、動物達の自由のために、戦うことを決意しますが､逆に｢悪い魔女｣として追われることになり､一方グリンダﾞは国を救うシンボルとして祭り上げられます。こうして、お互いを思いやりながらも、２人は自分の信じる道を歩き始めますが…。

衝撃作が巧妙かつ軽快に、
社会の暗部をあぶり出す……

１９７２年に第17回岸田国士戯曲賞および芸術選奨新入賞を受賞した、井上ひさし初期の傑作「道元の冒険」禅師・道元の半生をつづる劇中劇を中心に、10余名の俳優がスピーディーな役替えで50役以上の登場人物をユーモア満載に演じ分ける独特のスタイルや、シニカルで大胆な言葉遊び−。井上戯曲の陽性の魅力を存分に盛り込みつり、宗教家の沁悩と傲慢、隠された人間の暗部を垣間見せる。

　あまりに奔放な物語展開と膨大な台詞量ゆえか上演の機会は数えるほどだったこの問題作に、今、シアターコクーン芸術監督・蜷川幸雄が挑む！

「過剰なまでのエネルギーに満ちた初期の井上戯曲に触発され、自身が再生されたい」と闘志を燃やす蜷川の元に、阿部寛をはじめとする華と実力を併せ持ったキャスト、最強のスタッフが集結。今回、カノンやブルース、オペラ調など多彩な劇中歌を手掛けるのは、『キレイー神様と待ち合わせした女−』（作・演出、松尾スズキ）で目本ミュージカル界に一石を投じた伊藤ヨタロウ。蜷川との新鮮な組み合わせに大きな期待が募る。

時は寛元元年（１２４３年）。日本曹洞宗の開祖・道元によって開かれた宝林寺では、開山７周年の記念に弟子の禅僧たちによる余興「道元禅師半生記」が上演されようとしていた。このところ道元は、ひどく頻繁に夢うつつの世界に迷い込んでしまう。夢の中で彼は彼でなく、いつの時代か、婦女暴行の容疑で拘留中のひとりの“男”になっていた。一方、現実の世界でも道元は、既存の仏教に否定的で新仏教を立ち上げたことにより幕府や朝廷、比叡山の僧兵たちから睨まれ、その圧力に動揺を隠せない。誠の教えを求め、悟りを開いて世情を超越したはずの道元だが、過去と現在、不可解な夢を彷徨いながら、いつしかその心を迷いの渦に絡めとられていく−。

アメリカの片田舎『イーストウィック』に､満たされない女性が3人。
バツイチで子持ちの彫刻家アレクサンドラ･スホフォード､３６蔵。
別居中の音楽教師シェーン･スマート､38歳。
やっぱりバツイチ不倫中の新聞記者スーキー･ルーシュモント､３５熾。



　３人は｢堅実な｣家庭を築くことが苦手な､マティーニ(酒)好きの女友達である。
この３人を目の敵にしているのがフェリシア･ガブリエル｡地元新聞社オーナーである彼女は街の有力
者として｢イーストウィック｣の人々に厳しい秩序を求める。そのため､アレクサンドラたちは退屈な生活
を強いられ､うんざりしているのだ。
　ある日､街のはすれにある豪邸『レノックス･ハウス』に年齢不詳､正体不明の男がユニセックスな召使
フィデルと移ってきた。男の名前はダリル･ヴァン･ホーン。ダリルは､街の男が持ち合わせないセックス
アピールと巧みな話術､そして不思議な《パワー》(魔術?)でアレクサンドラたちに急接近。
　ダリルと３人の女たちのアヴァンチュールに､住人たちは大騒ぎ｡フェリシアはなんとか街の乱れた空
気を正そうと躍起になるが､人々の前で熱弁をふるっている最中に､こともあろうか､娘ジェニファーが
アレクサンドラの息子マイケルとキスをしているのを目撃してしまう。激怒したフェリシアは､娘を西海岸
のスタンフォード大学へ入学させ､二人の仲を引きさこうとする｡娘をかばう父クライドだが､こちらも
スーキーとあやしい仲であることがフェリシアに知られてしまい､何も口出しできすにいる。
　一方､レノックス･ハウスではダリルが取って置きの《パワー》で､３人の女たちに不思議な体験をさせ
る。歓喜､絶叫一女たちは身も心も解放され､そして待ち受けていたものは‥‥。

昭和33年建設中だった東京タワーが見える下町商店街の住人達の人情味溢れる
暮らしぶりを生き生きと描き出した一大エンターテイメントです。
一流小説家を目指しながら認められず欝々と駄菓子屋を営む茶川竜之介(吉岡秀隆)の
ところに飲み屋の美人女将(小雪)から押し付けられた子供が転がり込んでくる。
弱った竜之介はなんとか追い出そうとするが,少年が竜之介が連載している冒険小説の
熱烈なファンと知りしょうがなく一緒に暮らし始める。
駄菓子屋の向いの自動車修理店鈴木夫婦(堤真一・薬師丸ひろ子)のところには、
集団就職で上京した少女がやってくる。彼ら二家族を中心にテレビや電気冷蔵庫が
初めてやってきた日の大騒ぎやクリスマスの心温まるエピソードなどを交えて、
子供も大人もきっと明日は素晴らしいと信じて生きていた高度経済成長前夜の
東京下町を懐かしさたっぷりに描いていきます。素直に大笑いし,ちょっぴり
ウルウルする楽しい傑作です。
『すとれんじ・らぶ通信』より

「屋根の上のヴァイオリン弾き」
　市村正親主演の「屋根の上のヴァイオリン弾き」を見ました。
見る前はあまり期待していなかったのですが、面白かった。
３時間という長丁場でしたが、いろいろなことを考えさせられました。

テーマは結構重いものだと思いますが、笑えるところが随所に入る演出によって、
とても楽しくみることができました。
表現方法、伝え方はとても重要なことだということを再び考えさせられました。
「屋根の上のヴァイオリン弾き」という意味がわかりました。
屋根の上という場所でバイオリンを弾くということは、不安定でバランスをとることがたいへん難しく、
その当時ユダヤ人がおかれていた状況を表現したものです。
恥ずかしながら、長いこと主人公が、屋根の上でヴァイオリンを弾くのかと思っていた私でした。
ユダヤ人への迫害について　革命前の帝政ロシアにおけるユダヤ人社会への迫害が描かれていました。
ユダヤ人の人々は、ロシア皇帝のおふれの紙切れ１枚で理由もなく生まれ故郷を追われました。
アメリカやポーランドに移住しなくてはならないため、家族がバラバラに別れなくてはならかったのですね。
話が話だけに、派手さはないけれど、よいミュージカルだったと思います。